アクアロンシリーズは当社が1980年代に製造・販売を開始した反応性界面活性剤です。反応性界面活性剤はラジカル重合性基を有する界面活性剤で、乳化重合用乳化剤として使用されています。乳化重合中にモノマーと共重合することで、ポリマーディスパージョンの機械的安定性・化学的安定性・凍結融解安定性・泡立ちの改善や、ポリマーフィルムの耐水性が向上します。
アクアロンを利用する利点
- (1)泡立ちが少なく、消泡速度も速いポリマーディスパージョンが得られる
- (2)機械的・化学的安定性に優れたポリマーディスパージョンが得られる
- (3)耐水性に優れたポリマーフィルムが得られる
- (4)粘着力に優れたポリマーフィルムが得られる
種類と特徴
品名 | イオン型 | 用途 | 推奨モノマー |
---|---|---|---|
アクアロン AR シリーズ | アニオン、 エーテル硫酸エステル塩 | ・ 塗料 ・ コーテイング材 ・ 粘着剤、シーラント |
・ アクリル系 ・ スチレン-アクリル系 |
アクアロン KH シリーズ | アニオン、 エーテル硫酸エステル塩 | ・ 塗料 ・ コーテイング材 ・ 粘着剤、シーラント |
・ アクリル系 ・ スチレンアクリル系 ・ 酢酸ビニル-アクリル系 |
乳化重合におけるアクアロンの作用機構
アクアロンは、分子中にラジカル重合性の二重結合を有します。乳化重合の初期~中期は従来の界面活性剤と同様に重合プロセスの安定化に寄与し、重合後期には成長中のポリマーと共重合して粒子表面に保護層を形成し、ポリマーディスパージョンを安定化させます。
アクアロンは従来の界面活性剤と同様の方法・条件で使用でき、かつポリマーディスパージョン中に遊離の界面活性剤がほとんど存在しな
い状態となるため、界面活性剤を原因とする種々の問題を解決します。
アクアロンの製品詳細はこちら