活性炭代替「黒ボク土」が実現する高性能脱臭剤
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日本では、下水道施設から発生する臭気は悪臭防止法により、臭気指数等を用いて規制されています。大都市圏の下水道施設は住宅地やオフィスに近接している場合が多く、快適な生活環境を確保するうえで臭気対策は特に重要です。このため、活性炭などを用いた脱臭設備が広く導入されています。活性炭は優れた脱臭性能を有していますが、長期間の使用により性能が低下するため、定期的な交換や再生が必要となります。その結果、脱臭性能のみならず、維持管理コストの低減が重要な課題となっています。
このような背景から、活性炭に代わる脱臭素材として腐植質火山灰土壌(黒ボク土)が注目されています。黒ボク土は、火山灰を母材として植物の植生と腐植化を繰り返すことで形成される土壌であり、日本の国土の約31%に分布しています。一方で、世界的には分布が極めて限られており、全陸域の1%未満とされる日本特有の資材です。
黒ボク土は比表面積が大きく、多孔質構造による物理吸着性能に加え、腐植酸による化学反応(キレート化作用)を併せ持ちます。物理吸着と化学吸着の両機構を有することから、優れた脱臭素材であると言えます。
黒ボク土の特性により、腐敗臭の主成分である硫黄系化合物に対しては、活性炭の約1.5~2倍の期間にわたり脱臭効果を発揮します(図1)。
脱臭性能の長寿命化により、脱臭剤の交換頻度が低減され、維持管理コストの削減が可能となります。さらに、黒ボク土を主成分とするため、添着物質の溶出がなく、取り扱いが容易で設備腐食の懸念がありません。加えて、活性炭に比べて湿度の影響を受けにくい特長を有しており、高湿度環境で悪臭が発生しやすい下水処理場、し尿処理場、ポンプ場、農業集落排水施設、食品・飲料製造工場、複合施設の除害設備などに適した脱臭剤です。
今後、地方都市においても処理施設周辺の宅地開発が進展し、臭気問題は全国的に顕在化すると予想されます。さらに、近年では一般家庭や介護施設など、より身近な生活空間においても臭気対策の重要性が高まっています。産業分野で培ってきた脱臭技術を基盤に、高性能脱臭剤「デオペレット」のさらなる改良と応用を進め、快適な生活環境の保全に貢献してまいります。
















