くらしを支える乳化剤 ―ショ糖脂肪酸エステルとは―
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ショ糖脂肪酸エステルは、シュガーエステル(以下、SE)とも呼ばれ、ショ糖を親水基、植物油脂由来の脂肪酸を親油基とする非イオン性界面活性剤です。1950年代に世界に先駆けて日本で工業化されて以来、主に食品用乳化剤として幅広い分野で使用されています。
その安全性はFAO/WHO合同食品添加物専門家会議(JECFA)において評価されており、日本をはじめ、欧州や米国など多くの国・地域で食品添加物として認可されています。また、食品分野にとどまらず、化粧品、医薬品、洗浄剤、衛生用品などにも利用され、さまざまな製品の品質向上に貢献しています。
SEは製造に高度な技術を要することから、世界でも生産できるメーカーは限られています。その希少性も相まって、高い付加価値を有する素材の一つといえます。
食品添加物として使用できる乳化剤には、グリセリン脂肪酸エステル、レシチン、ソルビタン脂肪酸エステルなどがありますが、SEはこれらと比較して以下のような特長を有しています。
① 幅広いHLB※設計が可能
ショ糖1分子には8個の水酸基が存在しており、これらに結合する脂肪酸の数や種類を調整することで、親水性の高いものから親油性の高いものまで、幅広いHLBのグレードを設計できます。特に、高HLB領域をカバーできる乳化剤は限られており、この点はSEの大きな強みの一つです。
② 良好な結晶性と取り扱いやすさ
SEは、ショ糖骨格に由来する優れた結晶性を有しています。結合する脂肪酸の種類によって性状は異なりますが、主要グレードである飽和脂肪酸タイプは常温で固体(粉末状)であり、取り扱いや加工が容易です。また、高HLBでありながら固体(粉末状)の乳化剤は限られており、この点もSEの独自性を示す特長の一つといえます。
③ 食品の風味を損なわない
SEは、ショ糖を脂肪酸でエステル化することで、ショ糖本来の甘味が失われ、味や臭いがほとんどありません。そのため、食品に添加しても素材本来の風味を損ないにくく、繊細な味や香りが求められる食品にも適した乳化剤です。
※ HLB(Hydrophilic Lipophilic Balance):界面活性剤の親水性と親油性のバランスを示す数値。HLB値は0から20までの値をとり、0に近いほど親油性が高く、20に近いほど親水性が高くなる。
当社では、1971年より食品用途向けSE「DKエステル®」の製造・販売を行っています。また、化粧品用途向けには「コスメライク®」を展開しており、食品から化粧品まで幅広い分野でご採用いただいています。
SEは一般に乳化剤として知られていますが、その機能は乳化にとどまりません。難溶性物質の可溶化、油脂の結晶化抑制、でんぷんとの相互作用による品質改良をはじめ、耐熱性菌に対する抗菌作用、起泡性、滑沢性など、多様な機能を有しています。これらの機能はHLBによって調整することができ、目的に応じて最適なグレードを選定することで、食品や化粧品をはじめとするさまざまな用途で効果を発揮します。
また、当社のSE製品は、ハラール(Halal)認証やコーシャー(Kosher)認証に加え、RSPO認証、FSSC22000認証も取得しており、国内外のお客様の多様なニーズにお応えしています。今後も、グローバル市場を見据えた製品供給体制の強化を進めてまいります。
















