サステナブル時代の樹脂改質へ:バイオベース樹脂添加剤「モノペット」が拓く高機能化
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ショ糖脂肪酸エステル「DKエステル」シリーズは主に食品添加物用途で使用されていますが、樹脂添加剤としての応用は行われていません。その理由の一つとして耐熱性が挙げられます。DKエステルシリーズは200℃以下で分解が始まるため、一般的な樹脂の溶融温度よりも低い温度域で分解してしまう可能性が示唆されます。これは、ショ糖のOH基を残した設計でエステル化されていることに起因します。
一方、モノペットシリーズは「モノペットSB」と「モノペットSOA」の2種類をラインアップしており、それぞれエステル置換基の異なる製品です。モノペットSBは安息香酸エステル、モノペットSOAは酢酸エステルで、いずれも置換度は7~8と高く、ショ糖のOH基をほぼすべてエステル変性しています。この構造により、DKエステルとは異なり、分解開始温度は250℃を超え、樹脂の溶融温度よりも高い温度域で分解が始まるため、樹脂添加剤としての利用が可能となっています。
重量減少温度 5%:215℃
10%:224℃
重量減少温度 5%:296℃
10%:311℃
重量減少温度 5%:333℃
10%:343℃
また、モノペットSBには、樹脂の流動性(MFR)を向上させる効果があることも見出しています。 これらの特性を活かすことで、樹脂成形時の成形圧力を低減でき、成形性の向上が期待されます。さらに、加工温度の低下にもつながり、省エネルギー化に寄与します。
当社では、ショ糖変性技術の横展開として、別の糖骨格を用いた誘導体化にも取り組んでいます。ショ糖と同じ非還元性二糖に分類されるトレハロースについて、モノペット型の変性を実施しました。トレハロースは自然界に存在する安定性の高い非還元性二糖であり、ショ糖と比べて耐熱性や化学的安定性に優れています。
本誘導体は、従来のショ糖系材料に比べ、高温成形条件下でも分解や着色を抑制できるため、成形温度の高いエンジニアリングプラスチックなどへの適用が可能です。また、モノペットシリーズと同様に、幅広い樹脂への適用が期待されており、一般的なプラスチックだけでなく、植物由来材料を配合した樹脂などへの応用も視野に入れて検討を進めています。
実際の樹脂混練工程を想定し、200℃条件下で30分間曝露した評価では、左図に示す通り、ショ糖系材料と比べて着色が抑制されていることが確認されています。
















