
研究開発職
セルロースナノファイバー(CNF)の研究開発に一貫して携わり、実用化・事業化を経てマネジメントへと歩んできた研究者のキャリアを紹介します。
社会人ドクターへの挑戦や部門を越えた協働経験を通じて得た成長、そして挑戦を後押しする第一工業製薬の風土を、キャリア採用希望者や社員に向けて具体的に伝えます。
所属:京都中央研究所 コーポレート研究部 サステナブル材料グループ
入社年:2006年
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入社後、当時立ち上がったばかりのセルロースナノファイバー(CNF)の研究開発チームに配属されました。そこから一貫してCNFの研究開発に携わり、製造方法の確立や用途開発を担当してきました。
2013年にCNF製品「レオクリスタ®」として上市する際には、工場での量産化に向けたスケールアップ検討にも関わり、上市後は用途拡大を目指した顧客開発や、応用評価データの拡充に注力しました。研究成果が実際の製品として世の中に出ていくプロセスを間近で経験できたことは、非常に貴重な経験だったと感じています。
2016年からは、会社の全面的なバックアップを受けながら、CNF研究の最先端である東京大学大学院農学生命科学研究科・製紙科学研究室に社会人ドクターとして進学しました。企業研究とは異なる視点で基礎から研究に取り組むことで、研究者としての視野や考え方が大きく広がり、自身の成長を実感できた期間でした。2019年3月に学位を取得し、その後は再び第一工業製薬に戻ってCNFの研究開発に従事しています。
現在はグループ長として、研究テーマの推進だけでなく、メンバーの育成やチームマネジメントにも力を入れています。近年はCNFにとどまらず、セルロース材料全般やサステナブル材料へと少しずつ守備範囲を広げながら、第一工業製薬として持続可能な社会の実現に貢献する研究開発に取り組んでいます。
レオクリスタ®が初めてお客様に採用された際は、非常に苦労したことを覚えています。ラボレベルでの評価ではお互いに性能面の問題はなかったのですが、それを双方の実生産スケールで再現しようとすると、想定していなかったさまざまな課題が次々と発生しました。研究室ではうまくいっていたことが、実際の製造現場では通用しないという現実に、何度も壁を感じました。
その都度、研究グループだけで抱え込むのではなく、生産部門や営業部門など社内の多くの方々に相談し、力を借りながら一つひとつ課題を解決していきました。また、お客様とも綿密にコミュニケーションを取り、「どこが本当の課題なのか」「どの性能が最も求められているのか」を一緒に検証しながら、製品を練り上げていきました。
多くの人と協力し、試行錯誤を重ねた結果、最終的にはお客様の要望に沿った製品を提供することができ、「CNFの世界初の実用化」という成果も得られました。この経験を通じて、研究開発は決して一人で完結するものではなく、社内外の信頼関係とチームワークがあってこそ成り立つものだと実感しました。当時お世話になった方々とのつながりは今も続いており、若手時代に得たかけがえのない財産だと思っています。
第一工業製薬の一番の魅力は、上司と部下、部署間など、人と人との距離がとても近いところだと思います。若手のうちから責任ある仕事を任せてもらえますし、「こんなことに挑戦してみたい」という思いがあれば、自分から提案することで、しっかりと話を聞いてもらえる風土があります。
実際に、私自身も社会人ドクターに挑戦したいという思いを当時の上司に相談しました。当時は明確な制度があったわけではありませんが、周囲の方々がいろいろと調整してくださり、快く背中を押してもらえました。後に、他社で社会人ドクターを経験された方と話す機会がありましたが、「そこまで手厚くサポートしてくれる会社はなかなか聞いたことがない」と言われたことがあります(笑)。
このように、挑戦したいという気持ちを前向きに受け止め、後押ししてくれる環境があることは、当社ならではの強みだと感じています。研究者として専門性を高めるだけでなく、一人のビジネスパーソンとしても成長できる点が、第一工業製薬で働く大きな魅力だと思います。
















