凍結融解にも電解質にも強い!長鎖EO反応性界面活性剤で進化する水系ポリマーディスパージョン
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乳化重合法によって製造されるポリマーディスパージョンは、水系材料であることから、環境負荷低減や安全性向上に寄与する材料として注目されており、塗料、コーティング、粘接着剤など、幅広い分野で利用されています。乳化重合において界面活性剤は、モノマーの乳化・可溶化、重合の場となるミセルの形成、さらに重合中および重合後におけるポリマー粒子の凝集・合一を防止することによる分散安定化など、多様な役割を担っています。
一方で、一般的な界面活性剤はポリマー粒子表面に物理吸着しているため、脱離が起こりやすく、ポリマーディスパージョンの泡立ちの原因となる場合があります。また、フィルム形成後には、界面活性剤が基材との界面や空気との表面へ移行することで、耐水性や粘着力が低下することがあります。
これらの課題に対する有効な解決策として、反応性界面活性剤の使用が挙げられます。反応性界面活性剤は分子構造中に重合性基を有し、モノマーと共重合できる点が特長です。ポリマー粒子と化学的に結合することで遊離成分を低減でき、ポリマーディスパージョンの安定性向上や塗膜物性の改善につながります。
反応性界面活性剤の導入により、遊離界面活性剤量の低減や塗膜物性の向上は実現してきました。しかし、用途の高度化や流通環境の多様化が進む中で、ポリマーディスパージョンにはさらに高い安定性が求められるようになっています。特に、寒冷地輸送時における凍結融解安定性や、電解質などの添加剤存在下での分散安定性の確保は、重要な技術課題となっています。
こうした背景から、当社では反応性界面活性剤の分子設計に着目し、親水部であるEO(エチレンオキシド)鎖長を最適化した反応性界面活性剤の開発に取り組んできました。現在、疎水基にスチレン化フェニル基を有するアクアロン®ARシリーズとして、アクアロンAR-05(5モル)、AR-10(10モル)、AR-20(20モル)、AR-30(30モル)を展開しています。また、疎水基がアルキル基であるアクアロンKHシリーズとして、アクアロンKH-05(5モル)、KH-10(10モル)、KH-20(20モル)、KH-30(30モル)をラインアップしています。
















